不妊症とは?
妊娠を望み、通常の夫婦生活を2年以上営んでも妊娠しない場合を不妊症と定義します。
現在10組のうち1組のカップルが不妊症であると言われています。
当院での不妊症治療について
ご夫婦がどのような治療方法を希望するか、まずお伺いします。なるべく自然でいきたいのか? どんな薬を使っても良いのか? 体外受精も考えているのか? などです。また、どのくらいの期間治療するのか、治療方法の変更をいつ行なうのか‥等を患者さんと相談しながら進めていくようにしています。
不妊治療は、その原因を検索することから始まります。
一通りの検査で異常が見つかったら、それを解決することが治療の中心となります。しかし、実際には検査異常のない(原因不明)機能性不妊が多いため、種々の治療方法を状況に応じて選択し、さらに必要な検査や治療法を組み合わせて治療を進めていきます。
不妊症の原因
男性因子
精子が少ない、精子の動きが少ない、奇形精子が多い、ED(勃起障害)
排卵障害
ホルモンがうまく働かない、LUF(黄体化非破裂卵胞)、PCO(多嚢胞性卵巣)
卵管因子
卵管閉鎖、卵管水腫、癒着
頸管因子
子宮頸管粘液の量が不十分、抗精子抗体
子宮因子
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮奇形、黄体機能不全(子宮内膜が厚くならない)
子宮内膜症
チョコレート嚢腫、子宮腺筋症、卵管周囲の癒着
一般不妊検査
初診時または随時
問診 | 年齢や月経、既往症、不妊期間についてチェック |
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内診 | |
基礎体温 | 卵巣の働きやホルモンの様子をチェック |
子宮膣部細胞診 | 子宮癌の有無 |
血液検査 | |
超音波検 | |
精液検 | 精液中の精子濃度、運動率、奇形率のチェック |
低温期
子宮卵管造影 | 子宮の形や卵管の通過性、周囲の癒着の有無 |
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超音波 | 卵胞の発育状態 |
血液検査 |
排卵期
頸管粘液検査 | 子宮頸管粘液の量や状態の確認 |
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フーナーテスト | 性交後の頸管粘液中の精子数、運動率の確認 |
超音波 | 排卵時期の推測 |
尿検査 | 排卵を促すLHをチェック、排卵時期の推測 |
高温期
血液検査 | 卵胞ホルモン、黄体ホルモンをチェック |
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超音波 | 排卵の有無、子宮内膜の厚さをチェック |
不妊治療法
タイミング法
超音波検査、尿検査、頸管粘液検査、基礎体温表などから総合的に排卵のタイミングを計り、妊娠しやすい時期を見つけて指導します。
排卵誘発
内服薬や注射により卵子を育てたり、排卵を促す注射をしたりして妊娠の可能性を高めます。
クロミフェン療法 | 経口薬の排卵誘発剤で排卵障害や黄体機能不全症に使用。 |
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HMG-HCG療法 | 注射による排卵誘発 |
ホルモン療法
ブロモクリプチン療法 | 高プロラクチン血症の場合の排卵障害に使用。 |
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黄体ホルモン療法 | 黄体機能不全症の黄体機能の維持子宮内膜の着床環境の整備 |
HCG療法 | 排卵の促進、黄体の賦活 |
手術療法
着床障害になる子宮内膜ポリープや子宮筋腫を除去する手術、卵管通過障害に対する卵管形成術などがあります。
子宮因子
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮奇形、黄体機能不全(子宮内膜が厚くならない)
人工授精(AIH)
ご自宅にて精液を容器に採取していただき、それを洗浄した後に子宮内に注入します。
体外受精・顕微授精 (※当院では行なっておりません)
卵子を体外に取り出し、精子と受精させて数日後に子宮の中に戻す方法です。
当院では、なるべく自然に近い形で妊娠できるよう努めております。